ギア・セカンド

2007/06/26 Tue 03:16

 数年ぶりにコンビニで週刊の漫画雑誌を2冊買った。正確には隔週刊だけど、とにかく中綴じの漫画誌を買ったのはそれくらいぶりのこと。雑誌はだいたい立ち読みで済ませていたんだけど、ほしい部分があったので、ヤングアニマル(No.13 2007.7.13)とイブニング(No.14 2007/07/10)を買ってしまった。

 家に着いて、PCを立ち上げず雑誌を読んでいて、そのまま寝てしまってもいいと思った。「こんな夜は久しぶりだ」――なんて言うと、バトルものの連載が一区切りついたあたりで日常を描いた回のよう(次の敵がゆっくり動き出してるみたいな描写がある回)だけど、本当にそう思ってしまった。

 この10+数年ほど、とにかくテレホーダイに加入した頃くらいから、僕の夜の時間はそのほとんどがネットに注がれてきた。大部分はウェブとそれに関連するサービスに向かい、そのほかにチャット/インスタントメッセンジャーとかメールとかニュースとかも入ってくるかもしれないが、とにかくネットに膨大な時間を費やしてきた、あるいは責任転嫁するならば、奪われてきた。もちろん忙しくて疲れた日はPCを起ち上げずに寝てしまうこともあったけど、今日はそういう日ではない。少なくとも1~2時間はネットをする程度の余裕がある、にもかかわらずPCは起動しなくてもいいかと思った。こんな夜は久しぶりだ……。

 とはいえ、こうなる徴候は以前からあった。僕はだいぶ前から、ネットにはもう飽きていると自覚していたからである(たぶんログを漁ればどこかに書いてある)。そして間違いなく、ウェブを用いた各種サービスが一定の成熟を果たしたことが最も大きな理由だろう。

 常にアンテナを張り巡らしていなくても欲しい情報は欲しくなったときに探せば手に入るだろう。今日新しく見つけたものはすでに誰かが見つけているだろう。だから自分でわざわざ発信する必要もない。情報周知だって、他人か自動システムがやってくれるはずだ。こういう認識に至るのは、サーチエンジン、フォークソノミーの行き届いたソーシャルブックマーク、BBS、SNSの普及と成熟があってのことだ。もちろん、作る側、使う側双方において人的リソースが増大した結果であることは言うまでもない。

 僕個人だけの変化であれば全体には特に影響を及ぼさないであろうし、少なくともある側面において、このことは僕にとってむしろ「解放」である。以前よりも期待は小さくなっているが、しかしPCに向かっていないときに大きな損をしているような、その間になにかすごい出来事を見逃しつつあるような気持ちになることもない。PCの前ではないどこかでそういうことに遭遇する可能性が、少なくともPCの前と同じ程度にはあるんじゃないかというこの想定は、僕の気持ちと足取りを充分軽くする。

(ちなみに、僕は携帯ではほとんどネットを利用しない。しかし携帯でも事は同じじゃないかと思う。電車やバスに乗っている間や、外で食事を食べ終わってから店を出るまでの少しの時間に携帯を開きたくなる衝動は、僕の「重い気持ちと足取り」にとても似ている気もする……が、単なる手持ちぶさたの解消もありそう)

 しかしもし一個人だけのものでなかった場合、果たして、ウェブにとって、ひいてはネットにとってどういう効果を生み出すのか。これは、ネットに向かう個人が持つ、送信or受信するぞという衝動の強度が減退するということである。もちろん求められるインフラとしては盤石であろうし、そこにある程度の人口が維持されるなら仕組み・情報(内容)ともに代謝も維持されそうな気もするが、やはり強度の弱いノードがゆるやかに、微かに振幅しあうようなイメージも浮かんできてしまう(わかりにくい比喩だけど)。

 あるいは成熟の穏やかさというような良い面を見出すことはできるかもしれない。ある種の熱狂の中で一丸となってあらぬ方向へ進むようなことが抑制されるとすれば、その点は良いのかも。この「熱狂」とは、いわゆる「祭り」のことでもあるし、技術的イノベーションの連続を伴う競争状態のようなことでもある。しかしいずれにせよ、相対的に面白そうだとは感じないかなぁ。

(面倒なので情報の多段階流通のようなこと、たとえばブログにおける一次・二次……リンクであるとかSBMにおけるアルファ・ベータ……ブックマーカーのような階層・格差の問題まではあまり考えたくないけど、その固定化がつまらなさにつながることは同じだと思う)

 こんなことも、Web 2.0という言葉が出始めたあたりかもっと前に誰かが言ってそうだなぁ、と思ってしまえるところが僕の現状認識を示している(あるいはもしかすると、これは各世代がある時期同じように抱く懐古の情なのかもしれない)。エンジンブレーキは確実に効いてきている。とはいえ、このように思ったことをこのタイミングでウェブに書き残そうと思わせるあたり、根強いトルクを感じずにもいられないけど。

追記:「ログを漁ればどこかに書いてある」と書いたけど、更新した直後にRelated Tagsが示唆してくれた記事がまさにその一つだった。フォークソノミーマンセー。2年半くらい前の記事だけど、その期間で「ブログあんま更新しない→寝る前にウェブ見ない日があってもいい」まで来たということか。

Posted at 03:16 | Diary | 0 writebacks | edit
Tagged as: ,

writebacks

trackback URI

http://cu39.s57.xrea.com/diary/20070626_gear2nd.trackback


SPAM ロボットを排除するため文字判読テストをお願いしています。画像に書いてある2つの単語を入力してください。単語の間には半角スペースを入れます。