Page 1 / 35 1 2 3 4 5 6 7 8 9 > >>|

さそうあきら『トトの世界』(双葉文庫)

2006/10/04 Wed 03:12

本屋で文庫マンガコーナーをうろうろしていてピンときて思わず買ってしまった、さそうあきら『トトの世界』1~3巻を読んでいるところです。前々からこの人はそうじゃないかと思っていたわけですが、やはり天才の類であると思います。皮肉の意味はまったく込めていません。

嗅覚を鍵としながら人間性のリミットを問うという、およそマンガでは困難な主題をこれだけ描けるというのは……どうなってんだこの人。嗅覚や聴覚(『神童』)を表現するだけでもすごいのに、それだけじゃないとは。しかも連載が始まったのは新潟少女監禁事件の直前だし。

と、読み終えたような口ぶりですが、いま最終巻を半分くらいまで読んだところです。この先を読むのが怖いので一息入れてます。ハッピーで終わってほしいと思うなんて久しぶりのことだ……うううう。集中していきます。読み終えたらまた。

B6版 各560円(税込)

文庫(A6版) 各630円(税込)

Permanent Link | Writebacks (0) | Diary | edit
Tagged as: ,

2006年四季賞夏、(主に)市川春子『虫と歌』

2006/09/22 Fri 07:28

 『』 そろそろ11月号が出てしまうけれど、月刊アフタヌーン10月号についていた別冊付録、2006年四季賞夏(谷口ジロー選)について。

 今回の別冊はとりわけ秀逸な作品が揃っていた。2ちゃんねる四季賞スレは「今までにない」盛り上がりだったようで、そのことも今回のレベルの高さを裏付けていたようだ。その中でも四季大賞を受けた市川春子『虫と歌』がさらに頭一つ抜けていたように思う。この点で、僕の評価と、先のスレの大方の評価は一致している。

 読んですぐに「すごい」と思って感想を書こうとしたんだけど、どうにも語る言葉が出てこずにぐずぐずと今日まで持ち越して、それでもまだ何も出てこないまま、もうなんでもいいからこの作品について書いておけばいいやというくらいの気持ちで40日ぶりくらいに指を動かしてみたり。こんなペースだから言葉が出てこないんだろうけど、まぁ仕方ない。まだ本誌が残ってて、別冊も付いてたらマジで買ったほうがいい。

 粗いようで実のところ繊細な描線は読者にイメージを補完させる力が強く、それでいて軽さを失わない。できる限り絵での描写を試みていて、微かな線も見逃せない。最後の最後で言葉に頼った説明が出てくることを悔いる声もあったけど、僕はカタルシスとして成立していたと思う。コマやページの流れはテンポよく、しかし穏やかに時間を流れさせている。あるいは、抑えているが止まることのない良い具合のセリフ回しが、相前後する時間の流れをうまく一本にまとめているのかもしれない。

 奇妙な、あるいはファンタジックな「兄弟/妹」の話。僕自身には兄弟姉妹がいないけど、もしこんな風だったらいるのもよさそう。さらに言えば、僕は他人のことが常に不安だったり怖かったりするところがあるんだけど、もし本当にこういう関係を築きうるのだとすれば、その不安や恐れを踏み越える価値はあるのかもしれない。でもふと自分が「現実」にいて、虫でもないということを思い出して、やっぱりだめかしらと思いつつ読んでると、もっといいなぁと思ってしまう。あるいはやはりそれが「家族」であって他人ではないということが重要なのかもしれない。それにしたってこの家族像はやや美しすぎるのではあるが。でもこんな関係が出来るんだったら、人と関係することはそれほど悪いことではないと思えた。

 自分がそこまで他人と関係したがっていないとは自分でも思っていなくてまず意外で、しかもその自分が「悪くないかも」なんて思ったところがさらに意外。それでも基本姿勢は変わらないだろうけど。

 ただ、端々に高野文子を思わせるところがあると評判なので、好きな人は気をつけて。

 他の三作品の中では『呪縛』が比較的人気だったようだけど、個人的にはそれほど大差なく良かったように思います。たしかに『呪縛』はサスペンスで引っぱっていく強さがあって、すぐに商業誌でいけそうなニオイはしたかもしれないけど。でもこの三作の能力は個性が違うだけで総合的な戦闘力(?)は同じくらいな気がします。

 評判について2ちゃんねるのことしか出てこないのは、面倒で他をチェックしてないから。

Permanent Link | Writebacks (0) | Diary | edit
Tagged as:

井上雄彦×原泰久「師弟対談」

2006/04/13 Thu 02:00

テスト前になると部屋の整理がむやみにはかどるパターンというか、押し迫ってやるべきことがあって気ばかり焦るものの体と頭はそちらに向かわず、かといって何もしないわけでもなく、その焦りは関係ない行動へと積極的に向かっていく。blosxomプラグイン作るとか、日記書くとか、小説読むとか。

しかし、たまたまゴリエ杯決勝を見ては涙腺がゆるんでみたり、これといったきっかけもなく吐き気がきたりするところを見ると、それなりにストレスを感じてはいるようだ。幸い体は健康そのもののようだけど(吐き気には、肩こりと目の疲れも関係している気はする)。

コンビニで流川楓の表紙に目が止まって、井上雄彦と『キングダム』の原泰久の「師弟対談」を7割くらい立ち読み、そのままヤングジャンプ増刊「漫太郎」を購入。買わせたフレーズのひとつは以下の部分で、「アシスタント時代」という小見出しのついた一節を締めくくっている井上雄彦の発言から。

井上 (……)アシスタントとしてやるべきことは夢中でやるわけです。何も知らずに入っているわけだから、必死についていって夢中でやって、結果的に身につくものだから。何か、変な「ここはステップで」みたいな感じでやっているような人は絶対無理です。そこで全力尽くさないと勉強にはならないですよね。実際、そんな簡単にやれるようなことでもないので、必死になってやらないとついていけないのが殆どですから。そうですね。最近の子たちを見て思うのは“漫画しか考えない”というか“漫画以外の事はちょっと置いておく”という時期は必要ですよね、絶対。色々な欲求をそれぞれ満遍なく満たしている子が多い気がします。でも、期間限定なんだから、その期間、漫画だけっていう風にやっぱりやるべきだと思います。色々満たしているから、どんどん緩くなっていくと、そう思いますけどね。

思い当たるフシがざくざくある。“○○以外は置いておく”ことができないのが、僕のひとつの弱点なのは間違いない。「色々満たしているから、どんどん緩くなっていく」……やはり「以外」は置いとかないといけないよなぁ。

僕自身について考えると、単に欲求を「それぞれ満遍なく満たしている」というよりも、他を切り捨てて取り組むべき「○○」によって自分を支えられるという確信がないために保険をかけてしまうから、色々なことをしている部分が大きい。

少なくとも漫画がすぐに産業として成り立たなくなる気配はないので、その点の不安はないだろうが、しかしある個人が漫画で食っていく立場になれるかどうかは常にリスキーなので、やはり井上の発言は「リスクを取れ」というメッセージと受け取れる(ただし、井上の発言は、アシスタントの段階から、漫画家として独り立ちできるかアシスタントのままか、という文脈で出てきてるんだけど)。

ここにある壁は念能力で言うところの「凝」程度では破壊できず、集中する箇所のほかは「絶」する「硬」を必要とするわけだ。他のリスクを高めるほど、ある能力は強くなる。まこと、念能力は人生のある真理を語るのに便利だ。

そうする必要があるのであれば、そうせざるを得ない。ということはわかっているのだが、身体はそれを拒む。「どうしたいんだお前は」と他人に言われるが、自分でも聞きたいですよ。どうしたいんだお前は。

Permanent Link | Writebacks (0) | Diary | edit
Tagged as: , , , ,

江川達也が「はなまるカフェ」に

2006/02/20 Mon 09:30

朝から「はなまるマーケット」に江川達也が登場、お決まりの豪邸自慢はそもそもウザいし正直見飽きてもいるんだけど、アシスタントがいないというのは本気で驚いた。これ、一般にもすでに知られてたことなのかな。「週刊連載を持ってる作家では他にいないと思います」と言ってたけど、そりゃそうだ。江川達也の作品にはあまり食指を延ばす気になったことがないんだけど、とりあえずアシスタントなしで週刊をこなしてるのは偉い。冨樫義博が「追いつめられると1人ですべて書きたくなる」とどこかで言ってたけど、彼の場合はあのとおりだしなあ。江川恐るべし。

江川は自分が監督した映画版『東京大学物語』のプロモーションのために出演してたんだけど、これソフト・オン・デマンドが製作なのね。江川が「本当に原作通りですよ」って言ってたんだけど、要するにそれはアレなそれを期待していいということですか。水野遥役の子は「NHKハングル講座」にも出てたって書いてあるけどいいんですか。

  • / ()
  • 発送可能時間:
Permanent Link | Writebacks (0) | Diary | edit
Tagged as:

川畑総一郎逝去

2005/12/22 Thu 00:35

コンビニに立ち寄ったら『イブニング』が置いてあったので素早く『軍鶏』を読んだのちパラパラとめくって最後のほうのページにたどり着くと、『S60チルドレン』の川畑総一郎が、ほぼ一ヶ月前の11月22日に癌のため亡くなったという記事を見つけた。

節約のために雑誌をほとんど買わなくなってからずっとチェックしておらず、ファンと言うのはおこがましいが、昭和60年に小学生だった者の一人として、自分の属する世代と生きた時代とを繊細に描く同世代がいることを喜ばしく思っていたし、密かに活躍を期待してもいた。とても残念である。しかし、これからは我々の世代にもこういうことが少しずつ増えていくんだろうなぁ。

もう彼本人の利益にはならないが、遅ればせながら単行本を買ってゆっくり味わいたいと思う。

S60チルドレン (1) S60チルドレン (2) S60チルドレン (3) S60チルドレン (4)

Permanent Link | Writebacks (0) | News | edit
Tagged as: ,

Page 1 / 35 1 2 3 4 5 6 7 8 9 > >>|