Page 5 / 35 |<< < 1 2 3 4 5 6 7 8 9 > >>|

中田の涙

2006/06/23 Fri 07:42

試合終了後、ピッチに倒れたままブラジルのユニフォームで顔を覆い、涙している中田英寿の姿がとにかく印象的だった。この一敗で、彼のキャリアは間違いなく一つの終わりを迎えた。2010年には、中田は33歳。ほぼ4歳年上の(一度は引退した)ネドヴェドを中心とするチェコはすでにグループリーグでの敗退が決まり、同じくジダン率いるフランスも自力での決勝進出の可能性を失っている。中田も、4年後には間違いなくピークを過ぎているだろう。彼にとってこの大会はそういう大会だったはずだ。

これまで、少なくともカメラの前で、中田が涙を流すことはなかった。これがただの「予選敗退」であれば、やはり泣くことはなかっただろう。前半34分の玉田のゴールで、中田は、自分がそこにいるべきだとイメージし続けた、雲の向こう側の光を見た。手が届くかもしれないと思った。わずか10分後、再びその光は再び雲に閉ざされ、二度と射し込むことはなかった。

1996年、アトランタ五輪でブラジルを破った(19歳)。1998年、フランスW杯出場、その後日本人二人目のセリエAプレーヤーに(21歳)。2001年、ASローマのセリエA優勝に貢献(23歳)。2002年、日韓W杯でベスト16(25歳)。輝かしい。あまりにも輝かしい。もっと先に行かれると思った、かもしれない。2006年、W杯グループリーグ敗退(29歳)。「お前のキャリアはこのあたりだ」と言われたように感じた、かもしれない。

あるいは周囲の能力に対する苛立ちや運のなさを嘆いているところもあるかもしれないが、それでも間違いなく、自分の力不足に対して最も苛立っているだろう。そして、彼のシビアな評価眼では、もう「次」の自分に期待することもできない。

僕は中田英寿より年齢で言うと1年上だが、学年は彼と同じであり、ずっと同世代として気になる存在だった。中田ファンと言うつもりはない(どころかそれほど好きというわけでもない)し、そもそもサッカーファンですらないが、自分が生きた時間の中で何ができたのかを考える上でのひとつの極として意識してきた(せざるを得なかった)し、今後もするだろうと思う。僕は常に打ちのめされるばかりだが、それでも頼もしい存在ではあった(大相撲の「51年組」については語るまい)。しかし、30年という一つの区切りを否が応でも意識していたところに、彼の涙である。僕はスポーツ選手ではないし、それ以外の分野でも「キャリア」など示すことはできないミジンコだが、それでも「あの」中田英寿が涙するシーンには複雑な思いを抱かざるを得ない。

試合のテレビ中継は、ピッチに横臥しつつ目を赤くした中田が、笑顔でコーチ(?)と会話を交わし、立ち上がってサポーターの方へと歩み出すシーンで終わった。少し安心した。それはおそらく僕自身への希望と見えたのにすぎないが、できれば彼にとってもそうであってほしいと、やはり思う。4年後まで現役でいることは十分に可能だし、東ハトの役員だし、ベルマーレのスポンサーだし、イタリアのナイトの称号も持ってるんだし、なんでもできるだろう。ミジンコじゃないんだから。

――それでもこれが、一つの終わり、あるいは区切りであるのは変わらないことなんだけれど。

追記(22:10):とりあえずマスコミに上がった関連記事をクリップ。nakata.netで引退を連想させるようなコメントを出したという話もあるけど、サーバが落ちてるようで確認できず。W杯前から終了後の引退を示唆してたらしいけど。まあ引退も含めて「白紙」という記事もあるので、考えるということなのかな。

公式サイトでのコメントは試合前の21日付で出されたもので、まあ普通に捉えれば「この試合が(このW杯の)最後にならないことを」という内容だと思います。

Permanent Link | Writebacks (0) | Diary | edit
Tagged as: ,

『エターナル・サンシャイン』 ミシェル・ゴンドリー原案/監督

2006/05/28 Sun 12:42

 『』 いつか借りようと思っていて、やっと借りてきたうちの1本『エターナル・サンシャイン』(Eternal Sunshine of the Spotless Mind)を見た。

 記憶を消してしまいたいような出来事や関係はあって、それが関係であるならば相手のことをイヤになって消したいと思う。でもそれを総点検してみるとぽろぽろと良い記憶がつながって出てくると。

 ただ見終わった後で自分を省みてみると、記憶を消したいと思う理由はどちらかというと自己嫌悪のほうが多かったりするのだが、記憶を消すということは自分の嫌な面もナシにできるわけで、そう思ってから映画に飜ってみるとクレメンタインが記憶を消そうとした衝動の背景には自己嫌悪も絡んでいたであろうことがわかってくる。

 ジョエルが彷徨うのもまさに自分の脳内なわけで、これは2人の脳内放浪映画か? と思ってみると『マルコヴィッチの穴』も「脳内性」みたいなものがテーマだったわけで、カウフマンの抱えている主題というのは「脳内」とその外部との、つまり「脳内」と他者との関係にあると言うのは間違いじゃなさそう。

 それはともかく、考えてみると、消そうとしたその関係には良いところが多々思い当たるわけだ。それは相手に良いところがあったからだし、そのことから自分も相手にとって何らかの良いところがあったということがわかるし、関係そのものについてもまたしかりだと。「消したい」と思うような記憶について、それを「思い出す」ことにより、自己嫌悪に彩られた過去へこういう視線を投げることもできるのだなぁと思えたところが個人的な収穫だった。

 もちろんそれも一度は消そうと思うような記憶なんだから、思い出したくない部分を多々含むものなんだろうけども、というか基本的にそっちのほうが多いくらいなのかもしれないけども、記憶が消したいようなものとしてある状態だからこそ、そのときに発見する良い部分、美しい部分の意外さに驚かされてしまう。良いばかりでも、悪いばかりでもないというその凡庸なことを凡庸なまま憶えておくということは、凡庸な行為ではないと思う。

Blessed are the forgetful, for they get the better even of their blunders.

(Friedrich Nietzsche, Beyond Good and Evil)

“忘却はよりよき前進を生む”(DVD字幕)

――忘れっぽい人は幸いである。彼らは自分の愚行をも「綺麗さっぱり」忘れてしまうからだ。

(『善悪の彼岸』 7章 217 木場深定訳 岩波文庫 194頁)

英語を直訳すると「忘れやすい人は幸いである、なぜなら彼らのしくじりにさえ打ち勝てるのだから。」くらいでしょうか。こう言っておいた後で

How happy is the blameless vestal's lot! / The world forgetting, by the world forgot. / Eternal sunshine of the spotless mind! / Each pray'r accepted, and each wish resign'd

“幸せは無垢な心に宿る/忘却は許すこと/太陽の光に導かれ/陰りなき祈りは運命を動かす”(DVD字幕)

Alexander Pope, Eloisa to Abelard, Lines 207-210だそうです。こっちは大きな不安が伴うけど、訳してみると「純潔な処女の運命はなんと幸福なことか! 忘れられた世界を越えて、世界を忘れゆく。汚れなき心の永遠の輝きよ! 祈りはいずれも受け入れられ、望みはいずれも退けられる」……えーとだから、実際には嫌なことやうしろめたいことはあって、世界を忘れても行かれないと。

 2人は再び結びつき、さらに再び危機を迎える。そこに至ってforgetが「忘却」であるとともに「赦し」でもあるというダブルミーニングが効いてくる。わざわざ記憶を消さなくても、forgetすることは可能なのである。

 流れで『善悪の彼岸』をめくってて目に留まった箴言をもうふたつ。この作品とも遠からず結びつくでしょう。

平和な状態にあるとき、好戦的な人間は自己自らに襲いかかる。

(『善悪の彼岸』 4章 76)

愛から為されることは、常に善悪の彼岸に起こる。

(同153)

 てかここまでまったく触れずに来ましたが、この作品を観ようと思ったのはカウフマンでもジム・キャリーでもケイト・ウィンスレットでもフロド(イライジャ・ウッド)のおかげでもなく、ミシェル・ゴンドリーのためです。事前に逆回しという言葉をよく聞いていたので前編フィルム逆回しを期待していて拍子抜けしたけど、最終的にはすごく良かった。

  • / ()
  • 発送可能時間:

  • / ()
  • 発送可能時間:
Permanent Link | Writebacks (0) | Diary | edit
Tagged as:

JavaScriptでWiki整形するライブラリ WikiRender

2006/05/05 Fri 17:59

先週から作っていたJavaScriptライブラリを公開します。Wikiライク、というよりもむしろはてなダイアリーライクな変換エンジンです。

wikirender.jsをロードし、wikiRender.render(String)にテキストデータを渡すと、ルールに従って整形した結果が返されます。整形ルール(記法)についてはデモページのフォームを参考にしてください。

  document.getElementById('preview').innerHTML
    = wikiRender.render( document.getElementById('input').value );

返されるのはDOMオブジェクトではなくHTMLタグを含んだ文字列なので、innerHTMLに入れてやる必要があります。ZEROBASEのDOMコードジェネレータなどと組み合わせればDOMエレメントとしても処理できるかもしれません。

wikiRender.interWikiNameオブジェクトにプロパティを追加することで、InterWikiNameを追加設定することができます。

  wikiRender.interWikiName.WikiName = [
    URI prefix, URI suffix, UTF8_encode_flag (boolean), encodeURIComponent_flag (boolean)
  ];

3番目の真偽値で値をUTF-8にエンコードするかどうか、4番目の真偽値ではそのエンコードにencodeURIComponent()関数を使うかどうかを選択します。4番目がfalseの場合はencodeURI()関数でエンコードされます。

デモページでは以下ようなInterWikiNameを設定しています。デモページで使用しているwikidemo.jsも参考にしてください。

  wikiRender.interWikiName.GoogleSrchJa = [
    "http://google.com/search?hl=ja&amp;lr=lang_ja&amp;ie=UTF-8&amp;oe=UTF-8&amp;q", "", true
  ];
  wikiRender.interWikiName.AmazonJP = [
    'http://amazon.jp/exec/obidos/ASIN/', '/bdp-22/ref=nosim', false
  ];

また、wikiRender.headingBaseプロパティの数値を変更することにより、Hタグの開始値を変更することができます。見出しは2段階まで使えるようになっており、デフォルトでは*でH1、**でH2に変換されます。

  wikiRender.headingBase = 4;

デモページでは上のように設定しているので、*がH4、**がH5に変換されます。こちらもwikidemo.jsを参考にしてください。

Download: wikirender.js 0.0.1 (2006-05-05)
Download: wikirender.js 0.0.2 (2006-05-06)

ライセンスは、いわゆるMIT License (X11 License)とします。

Windows XP上のIE 6.0、Firefox1.5.0.2、Opera 8.54、Netscape 7.1で動作することを確認しました。

追記(05/06):いくつかのバグを修正した0.0.2を公開しました。

そして、ゆうすけさんがJavaScriptライブラリ検索 - JSAN Searchを公開されていたのを発見し、検索してみたら案の定Wikiwygを大発見。まぁ、あっても自分で作るんですけどね。Wikiwygのスタンドアロン・デモを触ってみましたが、超カッコイイ。

Permanent Link | Writebacks (0) | Diary | edit
Tagged as: , ,

JavaScript試行錯誤 その後

2006/05/05 Fri 01:44

少しずつイベントモデルがわかってきました。ブラウザごとの違いも少しわかった、というかWindowsで最新のOpera、Firefox/Netscape、IEに対応すればいいのなら、IEだけwindow.eventを使ってやればいいということがわかりました。またwindow.onloadハンドラの中でイベント宣言をすれば、すべてのイベントも*.jsファイルに移せると。だたし実際に少し組んでみた感想としては、prototype.jsを使ってしまうほうが賢いだろうと思います。

というわけで、Wiki機能を実現するライブラリ(みたいなもの?)を作りはじめました。とりあえず基本的なHTMLマークアップ系(DHTMLで動作確認できるのでデバグがとても楽)は完成して、ToDoはInterWikiNameを付けるくらい(それ以上は後で考える)。ファイルI/Oをやってくれるサーバサイドスクリプトと組み合わせてAJAXなWikiが作れるようなものにしたいところ。

Permanent Link | Writebacks (0) | Diary | edit
Tagged as: ,

JavaScript試行錯誤

2006/04/26 Wed 03:48

いまここの更新はwikieditish.cgiを自前で改造して使ってるんだけど、「試験前の掃除欲」を向かわせる先としてリアルタイムプレビュー(できればWiki記法対応も)+遷移なし記事表示/編集を搭載したAjaxなWikieditishを作ろうと思い立ち、とりあえずプレビュー部分を作……ろうとして早速ハマった。

というのも、イベントハンドラまですべて*.jsファイルに逃がそうとがんばっていたら、どうにも動いてくれなくて悩みまくった。window.loadのタイミングでonkeyupハンドラ内で使っているgetElementByIdがエラーを吐くらしく、どう指定してやるんだかわからない(とりあえずdocument.onkeyup = onkeyupHてかんじにしたらFireFoxでは動いてる様子)。このあたりから、HTMLタグの属性部分でイベントハンドラを指定してしまったほうが、なにかとわずらわしいトラブルが減りそうな気がしている。でもエレガントじゃない。

Livedoor Readerはてなブックマークなんかを見てみると、HTMLファイル内での指定もかなり使われてるみたいだし、ハマるよりは使ってしまえばいいのかなあ……でもはてなRSSはほとんど逃がしててイカス。これは監視するイベントの種類にも関係してそうだけど。

まぁあくまで「試験」があるわけなので、ひとまずペンディング。

Permanent Link | Writebacks (0) | Diary | edit
Tagged as: ,

Page 5 / 35 |<< < 1 2 3 4 5 6 7 8 9 > >>|